冷たい熱帯魚

『冷たい熱帯魚』

『愛のむきだし』の園子温監督。
R-18で146分と少し長め。
実際に起きた【埼玉愛犬家殺人事件】をモチーフとした超過激犯罪映画。
エログロバイオレンス。
残酷すぎる描写があるのでこれを簡単に色んな人に勧めていいものかと戸惑ったけど、言うよ。
傑作。

『愛のむきだし』もそうだったけど、テンポの良さにずるずると引きずり込まれていき、まるで自分も共犯者かのような錯覚に陥る。
あの恐ろしい現場を観た限り、もう逃げられない。
ラストまであっという間です。
しかもラストも凄いんだわ・・・。

よくいるよね。馴れ馴れしく話しかけてくるおっちゃん。アハハと笑いながらしょうもないギャグを飛ばすの。
それが殺人鬼、村田。
村田を演じるでんでんの演技に物凄く狂気を感じた。
これからはそういうおっちゃんを見たら疑ってしまいそうなくらい。ある意味トラウマな演技。

村田が社本に共犯途中で「奥さんと子供の事だけ考えろ」って何回も言うのね。
それが会社での上司からの圧力を彷彿とさせて嫌な気分になった。
辞めようと思えば辞めれるのに、今は苦労を乗り越えなければと。
その所為でズブズブと深みにはまっていく。
もう、後戻りはできない。
そういう怖さを感じた。

そんな怖さを感じつつも、ついつい笑ってしまうようなシーンも多々ある。
グロ好きなおいらだからかもしれないが、あり得ないような大量の血でヌルヌルのグチョグチョシーンはそれだけで笑えてしまった。

気になったシーン
・お醤油かけてたのはカモフラージュかね。
・山小屋でのロウソクの火の付け方！ボオォ
・あの歌は絵描き歌の「コックさん」だね！
・社本があの二人に突き刺したのってペン？…にしてはグッサグサいってたなぁと。

感想を書くにあたって映画を色々思いだしてたら、こんな事言ったら人格疑われるかなぁ、とかもうどうでもよくなってきた。
滅茶苦茶面白かった！やっぱエログロバイオレンス大好き！バッドエンド大好き！人の不幸は蜜の味！キャッキャッ
この映画がおおっぴらに宣伝されて公開されるような日本、まだまだ捨てたもんじゃないじゃないか。