ドッグヴィル

ドッグヴィル プレミアム・エディション [DVD]
ドッグヴィル


ニコール・キッドマン主演。
監督は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアー


ずっと気になってはいたんだけど、観る機会を失い今更鑑賞。
凄い映画を見逃していたもんだ!

何と言っても衝撃的なのがセット。
床に白い枠線と説明の文字を描いて建物の一部をセットに配しただけの舞台なのだ。
犬は吠えるけれど床に白い線で描かれれいるだけだし、パントマイムで扉は開くけれど(キィ…という音はするよ)実際に扉など無い。

この小さな町で恐ろしい人間模様が繰り広げられる。


出てくる登場人物の心情はほとんど描かれない代わりに、小説のようにナレーションが登場人物の心理までも事細かに説明しつつ物語は進む。物語は第九章まで区切られており、まさに「観る小説」のよう。


シンプルなセットだからと言って、物語が分かりにくいかと言えばそんな事はない。
それほどまでにストーリーが衝撃的。
先の展開が全く読めないのもこの映画の良い所だと思う。
いつ鬱展開が始まるかハラハラしちゃったよ…。


穏やかな小さな町に一人の女性がやってきた事により、多数決制の怖さが露呈し、権力を持った者がどうなるかという恐ろしさへとラストは転がっていく。
善意にみせかけたエゴや人間の傲慢さに恐怖しました。
ラストはスッキリしたー!…なんて素直に言えない。