SOMEWHERE


『SOMEWHERE』


マリー・アントワネット』のソフィア・コッポラ監督。
俳優とその娘のお話…と書くとセレブな生活を想像してしまうかも知れませんがこの映画ではそういう俳優ならではの華やかさは無く、むしろ空虚感が漂っています。


主人公のジョニー・マルコ(スティーヴ・ドーフ)の孤独っぷりを画面を通じて観ていると人気俳優だとは思えないくらい。女性には全く困ってはいないけれど、逆にそれが孤独感を引き出している気がしました。そんなボンヤリとした空虚な生活の中に娘のクレオエル・ファニング。ダコタちゃんの妹。)が現れます。別れた妻が用事で出かけるのでその間預かってほしいという事のよう。

彼女が現れたからと言って劇的に変わるわけでは無いけれども、どこかのんびり・ほんわかとした空気が漂う画面にいつの間にか惹きつけられていました。


クレオは11歳だけど、しっかりしてる。父親がどういう仕事をしているかも理解しているし、きっと女性関係も解っているんだと思う。(知らない女性と三人で朝食のシーンは気まずすぎだろ、って思った。)言葉には出さないけど何か考えているんだろうな、というクレオの表情にはハッとするものがありました。


若干退屈なシーンもありますが(冒頭の車がブゥンブゥン走るだけのシーンは永遠に続くんじゃないかとちょっと心配した。)クスリと笑えるシーン(特殊メイクのシーンには笑った。シュール。)もあって楽しめました。あまり多くの事を語らずに雰囲気で語る、というのがコッポラ監督ならではだなぁと感じました。


そうそう、プールの潜ってお茶会するシーンが可愛いのよ。

この画像よくTumblrで見かけてたんだけどこの映画だったのね。


のんびりとした良い映画でした。