乱暴と待機

乱暴と待機(通常版) [DVD]
乱暴と待機


パビリオン山椒魚』『パンドラの匣』の冨永昌敬監督。
原作は本谷有希子


覗き、覗かれる奇妙な関係。
四人の男女の哀しくも可笑しい、ある意味ラブファンタジー


主演は浅野忠信と美波。
二人は本当の兄弟じゃないのに、呼び名は『お兄ちゃん』。
美波は男性に変な気を起させないように…といつもジャージ+眼鏡姿でも可愛い。寧ろエロい。

二人は同じ屋根の下に住み、“兄”は天井裏から“妹”を覗く。


この奇妙な関係が良い。
夫婦役の山田孝之小池栄子も良い演技してました。
美波と山田孝之のラブいシーンが妙にリアルでキュンキュンしてしまいましたよ。山田孝之全然好きとかじゃないんだけどなぁ。


一風変わった作品です。
美波たんのお漏らしとお尻が見れるよ!


ここの冨永監督インタビューが面白いので鑑賞後はこちらをどうぞ。

127時間


『127時間』


スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督。
初っ端からスタイリッシュな映像と音楽に惹きつけられて、舞台は広大な自然へ。
澄みきった空!
広い大地!
主役のアーロン・ラルストンを演じるジェームズ・フランコ

マウンテンバイクで疾走し、すっ転んでもこの笑顔。自然を思いっきり楽しんでる感じ。
道に迷った二人の女性を案内するシーンで崖から泉に飛び降りるシーンがありますが、おいらあんな事出来ない…怖いよ…。
このアクティブなアーロンと素晴らしい自然の映像にインドアのおいらは初っ端からお腹いっぱいになりかけたのですが、まだまだ序盤。


軽快な音楽と共にロック・クライミングを楽しむアーロンに突然悲劇が襲いかかります。
一瞬の出来事。
落石に右腕を挟まれ、狭い谷底へ。
見動きはとれない。
ここでシンプルなタイトルが現れます。
『127 Hours』
ここからが地獄だよ、と監督に囁かれたかのように感じました。


ほぼ彼の一人芝居ですが、回想あり、妄想あり、グロありで息つく暇がないほど。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、痛みの音の表現がうまいなぁと感じました。神経?痛覚?がキーーンって。痛いよう。変にリアルだったよう。グロ好きの癖にビビりました。


おいらが彼の立場だったらあっという間に諦めていると思う。
物凄く生命力に溢れているし、ポジティブだ。
だってこの体験、トラウマになってもおかしくないのにアーロン・ラルストン本人は今も元気に登山してるんだよ。超楽しそう。(登山家・アーロン・ラルストンの写真、画像 http://p.tl/0Bdg
やっぱり好きなものは好きなんだよね。
おいらで言ったらチャッキーに殺されかけたけどまだ人形集めてます、って感じか?


インドアのおいらと親友は劇場を出て一言。
「やっぱお家が一番やね。」


ダニー・ボイル監督の音楽のセンスが大好きなんだけど、シガー・ロスが使われていた事に興奮と感動。

息つく暇のない、谷底という密室での一人芝居。生命力の映像化…って言いすぎ?
アウトドアの方もインドアの方も是非。

パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉


パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉


お馴染みジェリー・ブラッカイマー製作による『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズももう4作目。
監督が3作目までを担当したゴア・ヴァービンスキーからロブ・マーシャルへと変わり、気になったので鑑賞。ロブ・マーシャル監督は『シカゴ』も『NINE』も好きなの。おいらは3Dではなく2Dで鑑賞。


寝不足もあり、少しウトウトしてしまったシーンもあるのですが、人魚が出てきてからはお目目パッチリ。
人魚やばいよ。綺麗すぎだよ。あんなに怖くなるの知らなかったよ。素敵。モデルのジェマたんが少し出演しているんだけど、本当に綺麗。ドールフェイスの人魚…たまらん。

人魚のシレーナ役のアストリッド・ベルジェ=フリスベ(難しい名前…)も可愛くてうっとり。
人魚と宣教師が恋に堕ちるんだけど、その組み合わせも素敵。
宣教師が格好良いんだよ。ツーショットのポスター貼っておきますね。


そうそう、新キャラといえばペネロペ・クルス扮するセクシーな女海賊アンジェリカ。
吃驚するほど違和感なく、パイレーツの世界に入り込んでました。

濃いアイメイク二人組。


まさにエンターテイメント!という感じで楽しめました。
いつも通りエンドロール後のオマケもあります。
まだまだ続きそうだなぁというか、このシリーズはいくらでも続き作れるよね。
ふと思ったのは海賊の話なのにほとんど海のシーン無かったな…あれ…?ってことくらいでしょうか。

赤ずきん


赤ずきん


トワイライト〜初恋〜』のキャサリン・ハードウィック監督。
レオナルド・ディカプリオが製作に携わっています。
アマンダ・セイフライドといえば『マンマ・ミーア!』の元気いっぱいな印象が強いけれど、この作品では大人な表情を見せています。


そんなに期待せずに鑑賞した所為か、面白かった。
童話のように突然現れた狼が赤ずきんを誘惑するストーリーではなく、村を襲う狼は実は人間で村人の中から狼に変身する奴を探し出せ、という犯人探しミステリーでした。そしてその合間に赤ずきんことバレリーを取り巻く三角関係の恋愛模様を描いています。でも最後は狼に誘惑…いや、これはネタバレになるから言わないでおこう。
ダークな雰囲気を感じさせつつも、ロマンチックなラストに持っていく所がやはり『トワイライト〜初恋〜』の監督だなぁと。


もっとグロ描写があったら更に良かったかも。
原作の童話にあるように狼のお腹に石を詰めて沈めるシーンがあったのは良かった。
バレリーがおばあさんの家でスープを飲む(食べる)シーンで何の肉かははっきりと言及はされなかったけどあれはカニバリズムしちゃったんじゃないの、と思って調べてみると元々の民話(グリム童話以外にもスウェーデンの民話で似たような話があるそう)では、赤ずきんが騙されておばあさんの血と肉をワインと干し肉として食べるシーンがあるらしい。




他の赤ずきんモチーフ映画で思い出すのは「ハードキャンディ」だな。
男性諸君、お勧めですよ。
ハードキャンディ デラックス版 [DVD]

ブラック・スワン


ブラック・スワン


ダーレン・アロノフスキー監督。

公開初日に観に行ってきました。


主演のナタリー・ポートマンが第83回アカデミー賞主演女優賞を受賞したという事で公開前から話題だったこの作品。そしてどこからともなく流れてきた話では今敏監督の『PERFECT BLUE』と似ているとか何とか。
パーフェクトブルー 【通常版】 [DVD]
PERFECT BLUE』は勿論鑑賞済み。ダーレン・アロノフスキー監督が実写化権を持っているんだよね。『レクイエム・フォー・ドリーム』に『PERFECT BLUE』の一部オマージュシーンがあるのは有名な話。その噂を聞いたり予告編を見ている内に鑑賞前から内容やラストはあらかた予想がついてしまったので大絶賛されているけど楽しめるかしら…と若干不安でした。


しかしそんな不安は無用だった!
今も頭の中の音楽は『白鳥の湖』ってくらい強烈。
不安を煽るような映像。
ナタリー・ポートマンの鬼気迫る演技。
ちょっぴりエッチなシーンもありつつ(美女同士のレズシーンはあはあ…。電車の変態じいさんのシーンはちょっと笑った)、狂気へと転がっていくストーリー。
サスペンス・ホラー要素もあり、完璧。


ナタリーばかり話題になってるけど、ウィノナ・ライダーも出演してたのね。直前まで知らなかった。

どういう役で出演しているのか知らなかったから、登場が楽屋で大暴れシーンで吃驚。ナタリーに次いで彼女も鬼気迫るヒステリックな良い演技してたと思います。


PERFECT BLUE』と似ている点も確かに多々あったけど、逆にそれが比較出来て楽しかった。ダーレン・アロノフスキー監督は今敏監督が大好きだなぁ。(2001年に実現したっていう二人の対談を読んでみたい。何かの雑誌かな?)この映画はまさにPERFECT BLUEならぬPERFECT BLACKだよ!


ナタリーはこの映画の振付師と結婚したんだよね。
オスカーも手にして、愛も手にしてって凄いな!
この映画は決してハッピーなものではないけど、幸運を運ぶ映画として一部の女子が騒いでいる…のかは知らないです笑。
しかしおいらは満足、ポスターも貰えたしホクホクで家路に着いたのでした。

スプライス

スプライス [DVD]
スプライス


『CUBE』のヴィンチェンゾ・ナタリ監督。
科学者夫婦であるクライヴとエルサが人間と動物のDNAを配合して創り出した新生命体を作りだしてしまうのですが、超展開でおいらまいっちゃったよ。



ネタバレ全開で書くので(ネタバレ無しでこの映画の感想は書けない!)未見の方はご注意を。

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バブル

ガールフレンド・エクスペリエンス/バブル [DVD]
『バブル』


ガールフレンド・エクスペリエンス』のDVDに『バブル』も収録されています。
スティーヴン・ソダーバーグが監督・撮影・編集の3役を勤め、製作費160万ドルという低予算で作られたインデペンデント映画。
出演者はプロの俳優ではなく、撮影場所も出演者の自宅が使われたそう。(wikiより)


この映画、舞台が田舎の人形工場なのです。

淡々と描かれる日常の中で突然起こる殺人事件。
ガールフレンド・エクスペリエンス』と同じく登場人物たちの内面が描かれないけれども、人形のパーツや作成過程を映し出す映像が不気味さと日常のつまらなさを上手く表現していて、殺人事件という非日常が起こっても流れる時間は変わらず淡々としているのが良かった



喫煙室を覗くこの顔にギョッとしたよ!こええ。


エンドロールでお人形を作る時に使う雛型が延々と映し出されるんだけど、それがまた不気味で良かった。
お勧め。