サヴァイヴィングライフ ─夢は第二の人生─

『サヴァイヴィングライフ ─夢は第二の人生─』

ヤン・シュヴァンクマイエル監督。R-18。
監督自身が冒頭に出演して言い訳を述べ出すところから映画は始まります。笑った。
ただの実写映画では無く、写真を切り貼りしたコラージュ＋実写という一風変わった作品。CGなんか使ってません。切り絵よ。

夢というのは個人的に好きなテーマなのでかなり期待して鑑賞。
ストーリーは、夢の中で出会った美しい女性が気になるようになった主人公が夢の操作法に関する書物を探し、自分の意志で夢の世界に入る方法を見つけ、毎日会社に行くふりをして夢の中へ出掛けるようになるというもの。

この映画の中で一応【夢】と【現実】は区別されているのだけれど、現実では有り得ないようなシュールな表現方法を用いてるので現実のシーンでも夢のよう。（犬の体が人間だったり、女性の頭が鶏だったり。）

途中までは夢と現実の恋愛ものだと思っていたら驚きのラストでした。良かった。夢＝深層心理なんだよね。さすがシュヴァンクマイエル。そりゃそうだよね。ただの恋愛映画にはしないよね。夢分析と精神分析、フロイトとユングのバトルが見れる女医の夢分析シーンはなかなか見ごたえがありました。

監督自身はこの作品について『精神分析的コメディ』と言っています。コメディと言ってもゲラゲラ笑えるような喜劇では決してない。『悲劇は喜劇』という言葉があるけれど、そういう意味でのコメディだと思いました。

最後にシュヴァンクマイエルのインタビューから引用。

夜に見る夢もありますが、日中も夢を見ること。つまり、目標を持って生きることです。夢は欠かせません。フロイトいわく、夢は人間の隠された欲望を叶えてくれるもの。私たちが生き抜くために、夢は不可欠なものだと思います。

さぁ、夢を見ましょう。

モテキ

『モテキ』
楽しすぎた！
終始笑いっぱなしでニヤニヤして鑑賞。
漫画もドラマも観ていたのでもう大好きすぎて！
しかし、漫画やドラマを全く知らない人でも映画は楽しめる作りになっていたと思います。

おいらはOPの夜明けのビートが始まった瞬間からテンションあがりっぱなし。

女神輿もパワーアップ！後ろでポールダンスしてるし！

何と言っても長澤まさみが可愛い。悩殺スマイル。あれは惚れるだろ。
『モテキ』ってラブシーンがリアルなんだよね。
朝まで飲んで部屋に二人きり、さあどうする、っていう時のこれはいけるのかいけないのか？っていうシーンとかさ。酒と眠気とエロさで探り合うあの感じ！うわああああってなる。これを30代でやってる幸世凄いわ。

曲のチョイスも相変わらず素敵。
女王蜂のライブまじ行きたい。アルバム買います。

N'夙川ボーイズも良いね。

ジュディマリ『LOVER SOUL』や岡村ちゃん『カルアミルク』ACO『悦びに咲く花』などなどおいらのお気に入り曲が沢山流れて嬉しかった。TMネットワークとか世代的に知らない曲もあったけど、大体が幸世の心情にピッタリ当てはまった曲を歌詞付きで流してくれるので面白かった。あのテロップはカラオケ画面を大画面で観てるような変な気分になったけど笑。

ドラマ版でもあった『(500)日のサマー』オマージュ（なのか？でも似すぎだからそうだよね。）がPerfumeも交えた大がかりなものになっていてちょっとしたPV。

劇中で出てくるのがまさに現在のものだから（幸世が働く会社はナタリーでTwitterで知り合ったみゆきが働いているのはEYESCREAM）今観るのが一番面白い映画だなーと思った。

ベタ褒めしか出来ないのでごめんなさいという感じなんだけど、ラストシーンだけはちょっと不満かな。おいらだったらキレるよ！全身ドロドロとかあり得ないよ！！

エンディングの最後の最後まで楽しめる作りになっていてそれには感動した。
超楽しかったよ。
ありがとう『モテキ』！

スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団

『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』

これは邦題で損してる。ダサい。
絶対口コミが無かったら邦題で観るのスルーしてた作品。
超！面白いよ！！

原作はカナダのコミック。

監督は『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』のエドガー・ライト。

初めはモテない男子が一目惚れした女子の元彼と戦う…みたいなのを想像していたのですが違った。主人公モテてるじゃん。彼女居るじゃん。そう、非モテ男子の話では無くてリア充の話なんだよね。二股するから吃驚したよ。売れてないけど一応バンドマンだし。でもオタク。

何故戦いが強いの？とか、あれは特殊能力なの？とか、突っ込みどころ満載な感じが凄く面白い。展開が早いのも◎

そして特筆すべきは映像。
おいら全くゲームしない人間だけど、ゲーム的演出はとても良かった。

ファイトに勝ったらコインがチャリンチャリーンって落ちてくるよ。

ポップな映像も素敵。

このラブが飛び散るキスシーン好き。

ゲーム好きの人が観ればたまらない映画なのかもしれない。
でもゲーム知らないおいらでもかなり楽しめちゃった。
お勧めです。

ランナウェイズ

『ランナウェイズ』

1970年代後半に活動したガールズロックバンドのザ・ランナウェイズの伝記映画。
マンソンやシガー・ロスのPVで有名なフローリア・シジスモンディの初長編監督作品です。

何と言ってもダコタちゃんの変貌っぷりが凄い。

この少女が

セクシーねぇちゃんに。
日本でのライブシーンがとってもパワフルでセクシーで良かった。
ダコタちゃん歌上手いね。

ランナウェイズは当時日本でもかなり有名だったようで。
Youtubeで日本のTV番組の動画見つけた。

『チェリー・ボンブ』ｗｗ

ダコタちゃんも良かったけど、クリステン・スチュワートもこの作品でイメージアップ。
『トワイライト』シリーズでは幸薄そうな主人公だな（ごめんね。）という印象で可愛いとか思った事無かったんだけど、こちらのメンズライクな役柄がビンゴ。素敵！格好良い！絶対黒髪の方が良いよ。

フローリア・シジスモンディが撮る写真やPVが大好きなので彼女が初めて長編を撮影すると知って興味を持ったこの映画。伝記映画なので彼女の世界観が反映されていたかといえば沈黙してしまうのですが、とても楽しめました。ランナウェイズの存在もこの映画を観るまで知らなかったけど、こんなにパワフルなガールズバンドが居てたなんて！と興味が湧いた。歌が頭に残る。チェリー・ボーム！次に長編撮る時は耽美でゴシックなシジスモンディの世界観が堪能できるホラーなんかが良いな、なんて我が侭を思っちゃったり。

ピラニア3D

『ピラニア３Ｄ』

『ハイテンション』『ミラーズ』のアレクサンドル・アジャ監督。
1978年のアメリカ映画『ピラニア』のリメイク。
R-15。

3Dってあまり好んでは観ないのですが、これは公開前から楽しみにしていたので躊躇せずに公開初日に観に行ってきました。眼鏡のプラス料金でかなりのお値段…！でも良かった！今まで観た3D映画の中で一番しっくりきたかも。（『アバター』は疲れちゃったし、『トイ・ストーリー３』は3Dにする意味がいまいち解らなかった。）

ご存じの方も多いと思いますが、おっぱいとチンコが飛び出ます。（ゲロも飛び出るとは思ってなかったよ…笑）実際、劇場は男性客が半数以上。おっぱい目当てか！そこのおっさん！…しかしそんなセクシー水着ねーちゃんにウハウハしてるおっさん共を蹴散らすように繰り広げられる期待以上の人体切断！25分を超える大殺戮シーン！切り株描写満載！これはアトラクションだね！！吃驚するくらいの阿鼻叫喚図にテンションあがりっぱなしだよ！！！舞台は湖ですが、まさに血の海。

切断画像は自重しまふ。

AV監督役のジェリー・オコンネル。

彼が『スタンド・バイ・ミー』のあのぽっちゃり君だと知って衝撃。知らなかったよ…！

ひええ。

クリストファー・ロイド（『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドク！）も出てるし何気に豪華キャストだよね。

それにしてもウェットTシャツコンテストって何やねん笑。
最期の言葉が『ウェット…Ｔシャツ…』って笑。
鑑賞した人との合言葉はこれで決まり。
素晴らしいエログロハイテンションムービーでした。
ラストも素敵。続編もあるみたいだけど、これはこれで終わって欲しい気もするなぁ。
夏の思い出に是非。

スーパー！

『スーパー！』

みんな大好きエレン・ペイジたんがとってもキュート。
ファックとか汚い言葉も沢山使っちゃうし、人を半殺しにしておいてキャッキャ喜ぶようなちょっとクレイジーな女の子。セクシーポーズもしちゃうよ。

…でも主役はこいつ。

つぎはぎだらけのコスチュームがダサすぎる。
彼のヒーロー名は【クリムゾンボルト】
奥さんをドラッグディーラーに奪われたのをきっかけに、妻を取り戻すべく手作りコスチュームで悪に挑みます。

スーパーパワーが無く、手作りのコスチュームといえば思いだすのはやはり『キック・アス』

でもこちらの方がバイオレンス。
『キック・アス』のビッグ・ダディやヒット・ガールのようにスタイリッシュな身の動きとは裏腹に、クリムゾンボルトは力任せにレンチで何度も殴打したり花瓶で殴ったり…只の暴力だよ！

現実的だな、と思ったのがそのやっつけ方にも現れているけれど、ヒーローという名の下に正義を押しつけて暴力沙汰を起こしているという点。犯罪者をやっつける＝自分も犯罪者になるという事。結局クリムゾンボルトは私利私欲の為に気に食わない奴をぶっ殺して行く麻薬ディーラーと一緒で、ヒーローではない。

ラストの悪役の言葉『俺を殺して世界が変わるのか？』
最後の最後で泣きそうになってしまった。
悪者からお姫様を救って、めでたしめでたし…そんな簡単な話じゃないのだ。
現実的だな、とここでもまた思った。
人生は映画のようにキリの良いところで終わらない。
全体的にコミック原作のヒーローものと違って、シリアスに見てしまいました。
でも演出はポップなのよ！

オープニングのグロアニメが可愛いのでそこも必見です。

モールス

クロエ・グレース・モレッツ主演。
『クローバーフィールド／HAKAISHA』のマット・リーヴス監督。
ヒットガールでお馴染みクロエたんが今回はヴァンパイアです。

スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイク…と方々で言われていますが、映画化権を買ったスウェーデン版とハリウッド版が同時進行で制作されていて公開時期がずれたというだけで、リメイクというわけではないみたいですね。
…でもやっぱり比較しちゃう。

『ぼくのエリ』よりか解りやすい説明的な映像が多いなぁと感じました。
例えばアビーとあの男性の昔のツーショット写真から恋人だった事が読み取れるし、ラストシーンもモールス信号を送り合ってるのでアビーと一緒に居る事がよく解る。

アビーが吸血するシーンはホラー。
豹変したアビーはヴァンパイアというよりモンスターに近い気が。動きも俊敏でさすがハリウッドという感じ。

クロエたん大好きだけど、個人的にヒットガールのイメージが強い所為かヴァンパイアにしっくりこなくて（血しか受け付けないヴァンパイアの訳なのに健康的に見えちゃう…）残念。

『ぼくのエリ』の儚く美しい雰囲気が大好きなので比較して甲乙つけるとしたら『ぼくのエリ』派かな。

しかし予備知識無しでも楽しめるし、クロエたんの魅力たっぷり。切なく怖い小さな恋の物語で純愛を思い出してみてはいかかでしょう。（…と無理やりまとめてみた）